本文へジャンプ
リフォーム事例:暮らし上手さん
KURtai.gif
  kura29_1.jpg
花を眺めたり、水やりをするためにも道を作るのは大切なポイント。

KUtit29.gif
東洋エクステリア社・札幌営業所長/紙谷久信さん

雄大な自然に恵まれたニュージーランド。
南島の中心地クライストチャーチは、「ガーデンシティ(庭園の街)」の愛称があります。
イギリス系の移民が多いため、街並みとの調和を図ったイングリッシュガーデンが目を引きます。
わたしが2月にガーデニング視察で訪れた際に撮った写真をまじえ、生活の一部としてのガーデンライフをご紹介します。
kura29_2.jpg
こんなレンガの使い方が庭のアクセントになる。
 
kura29_3.jpg
自然の中に家があるというスタイルは実に調和がとれている。

  kura29_4.jpg
パーゴラが全体の雰囲気とよく合っている。


のびやかに個性を演出するニュージーランドの庭
 
kura29_5.jpg
ご近所の方も気軽に座っていくというベンチ。オープン・マインドなお国柄が伝わってくるよう。
 赤道をはさんで日本と緯度が逆位置にあるニュージーランドは、約370万人の人口よりも、羊の数(5000万頭)のほうが多いことで知られています。国土は北島と南島の二つの島からなり、面積は日本の本州と九州を合わせたくらい。8世紀頃からポリネシア系の先住民マオリ族が移住を始め、19世紀に入るとイギリスからの移民が盛んになったそうです。ですから、文化やライフスタイル、街並みなど様々な面でイギリスの影響を強く受けているのが特徴的です。気候は温暖で、わたしが訪れた南島の中心地、クライストチャーチは、山岳地は別として冬でも雪が降りません。ただし南極に近いこともあって、朝晩の風は冷たいですね。フィヨルドなど豊かな自然に恵まれ、暮らしの中にもさりげなく自然を取り込んでいく。その現れがガーデニングだと感じました。

生活に密着したガーデニング事情
 
kura29_6.jpg
テーブルと椅子を置くスペースには、レンガを敷いて。
 クライストチャーチはフラワーコンテストやガーデニングフェスティバルなど、花や庭をテーマに様々な催しを開催しながら街づくりを図っています。世界各国からたくさんの人が、その素晴らしいガーデニングの様子を見学しに来るので、個々の家庭でもメインの庭を心よく開放。皆さん入場料を取らず、コーヒーやクッキーでもてなしてくれるんです。そのかわり募金箱があって、ガーデニングと社会福祉活動の深い結び付きを感じました。訪れたどのご家庭もガーデニングは生活の一部として楽しみ、暮らしの中に深く根差しているようでした。

自然に溶け込む演出を自分たちで工夫する。
 
kura29_7.jpg
青い空の下、花と緑が白いフェンスによく映える。
 街並みを眺めながら感心したことのひとつは、パーテーションの使い方の上手さです。いかにも仕切ってあるという印象を与えない、さりげない使い方に好感を覚えました。こうしたパーテーションをはじめ、ガーデニングに関するものは、日本でいうならホームセンターに相当するお店で買ってきて、自分たちで演出するのがニュージーランド流。とにかく何でも揃う大型店で、単価もリーズナブルでした。皆さんこうしたお店をどんどん利用して、自分たちの手で庭づくりを楽しみます。また新しく購入するばかりでなく、リサイクルでの工夫をしている家を何件も見かけました。例えばアルミのビア樽をポストにしてみたり。とても洒落ていました。
 そんな美しい「庭園の街」は、なにより自然を愛おしむ精神を教えてくれた気がします。

自然と調和したスタイルは庭づくりの歴史
kura29_8.jpg
歩道も手入れすることを条件に芝生として使用できる。芝の端の部分を見ると芝生がかなり長めにカットされているのがわかる。
 
 クライストチャーチでは、住宅の前の歩道を舗装するか、庭の延長で芝生にするかを市役所と相談して選ぶことができるんです(手入れはその家の人がします)。塀をまわしている家もありますが、大抵がオープンなつくりなので、街並みに一体感があり調和がとれています。
 おもしろいことにどこのお宅でも芝生は長めにカットされていてふかふかの状態。歩道から芝生が始まるところがきれいに一段高くなっているんですよ。こんな芝生は初めて見ました。まさに緑の絨毯です。
 庭巡りの途中、そんな手入れの行き届いた芝を女子高生たちが裸足で草の上を歩いている姿を見かけました。一瞬驚いたんですが、きっと自然を身近なものとしてとらえる風習が身についている現れなんでしょうね。
 クライストチャーチの山の木は、過去に伐採されたまま放置していたので今では山に木がほとんどありません。そのため緑を身近に取り入れた生活をしようというのがニュージーランドの庭づくりの底辺にあるようですが、子供の頃からの自然との接し方も大事なんだと思いました。

 注)99年10月28日訂正
 本章が最初に掲載された時点では、文中に「クライストチャーチでは水道代が無料」という表記がありましたが、ニュージーランド在住の方から疑問が寄せられました。大使館広報部に確認したところ、ニュージーランドでは水道利用やゴミ処理、道路整備などの費用は無料ではなく、毎年納められる各都市の特別税でまかなわれているそうです。
 お詫びとともに訂正させていただきます。


MAEP.gif  前回でご紹介の家はこちらです  TUGIP.gif

*検索


AND OR 

Powered by wwwsrch.cgi Ver3.09
(とほほのWWW入門)


*家づくり参考コンテンツ

Replanとは

Replan編集長ブログ

住宅雑誌RepanTwitter

  • Replanメールマガジン
  • Replanお問い合せ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加