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イチ押し住宅
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低炭素社会に向けた
32坪のコンパクトハウス

■石巻市・モデルハウス
■設計・施工/ヒノケン(株)
HP:http://www.hinoken.co.jp/
TEL:0225-94-8130

今回の事例は、リプラン東北 Vol.27に掲載しております。
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期待の自然エネルギー、地中熱ヒートポンプを採用。炭の効果で空気もきれい

 このモデルハウスの敷地は60坪弱。カースペースを4台分確保しながら、建物は約32坪とコンパクトです。外観デザインも至ってシンプル。しかし、一歩中に入ると想像以上に広く明るく感じるのではないでしょうか。
 「外に閉じて中に開く家」をテーマとしたこの住まいは、広がりを感じる窓の配置や大きな吹き抜け、変化に富んだ空間で構成されています。こうした大らかなプランが実現できるのも、断熱・気密がしっかりと確保されていればこそ。数値もQ値1.2W/㎡K・C値0.2㎠/㎡という北海道レベル以上の高さです。
 開口部の大きさや配置は、日射角度や風通しを細かく検証して設置しました。西側には開口部をほとんど設けず、採光と通風を考えて北西に8ヵ所の窓をレイアウトしています。南面のリビング窓は2階のバルコニーが深い庇となって夏の陽射しを遮断し、冬は低い角度から光と熱を取り込んで暖房負荷を軽減します。
 このようなパッシブエネルギーの活用に加え、今回は次世代エネルギーとして注目される「地中熱ヒートポンプ」を採用しました。敷地内にボーリングしたパイプから常時17〜18℃の地中熱を取り込み、輻射式の自然対流で空気を汚すことなく室温をコントロール。外気温がマイナス5℃の時でも室温は21℃となるよう設計しています(設定湯温35℃の場合)。
 さらに、温熱環境だけでなく「空気の質」にもこだわりました。このモデルハウスは炭1t(床下に600㎏ 、1階天井と2階床の間に400㎏)を敷設しており、第2種換気で強制的に炭のトンネルをくぐらせてから室内に給気しています。今や必ずしも外気がクリーンとは限りません。玄関に入った瞬間から「空気の違い」を実感できると思います。

住宅性能のレベルアップでエネルギー消費はさらに削減の可能性大

 当社では現在、ほとんどの施工例にヒートポンプ式暖房(または涼暖房)を採用しています。地中熱利用についてはボーリング費用など初期コストがネックではあるものの、低炭素型住宅にとっての重要なファクターとなることは間違いないでしょう。
 しかしその一方で、こうしたヒートポンプがオーバースペックになる場合も考えられます。ヒノケンの家では硬質ウレタンによる充填+外断熱の「ハイブリッド・エコ工法」を採用していますが、その目標数値はQ値1.3W/㎡K以下・C値0.3㎠/㎡以下。住宅そのものがこれだけ高性能になり、かつパッシブを積極的に活用していけば、さらに暖房エネルギーは小さく、少なくできる可能性が広がります。事実、このモデルハウスも、11月下旬まで日射さえあれば暖房ナシで充分暖かく過ごすことができました。
 今、目指そうとしているのはカロリー半減の家づくりです。例えば、東北では1年の半分近くを暖房に頼っていますが、6ヵ月の暖房期間を3ヵ月にできないか。または、1ヵ月の光熱費が1万円かかるところを5000円くらいで済むようにできないか、追求していきたい。そして、さらに省エネ性に優れた低炭素型住宅を増やし、CO排出削減と地球環境に貢献できるようチャレンジしていきたいと考えています。
談/鈴木 貞良<ヒノケン(株)専務取締役>

Photo Data

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Data

構造規模/木造(在来工法)・2階建て
延床面積/123.93㎡

今回の事例は、リプラン東北 Vol.27に掲載しております。
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■石巻市・モデルハウス
■設計・施工/ヒノケン(株)
HP:http://www.hinoken.co.jp/
TEL:0225-94-8130

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