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外観。大屋根の角度、素材、バランスとも考え抜いた仕上げで、絶妙なまとまりを見せている。植栽もぴったりマッチして、建てたビルダーも大喜び。
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車イスの動線を徹底的に検討
世界に一つだけのKさん的バリアフリー住宅
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「妻が寒がりなので、暖かい家は第一条件。木の温もり、というのも最初から持っていたイメージでした」。展示場巡りをし、インターネットで探し、やっと出会えたビルダーが、木の香の家でした。
車イスで暮らしているKさんは、「こうだったらいいのにと、今まで思ってきた動線」について、設計者と綿密に打ち合わせていきました。車イスでの移動は斜め前方に向かう動線が動きやすいことや、洗面台やクッキングヒーターなどの使いやすい高さ、駐車場と玄関の近さなど、詳細にわたって検討。絶妙な曲線で開閉できるドアが設置されたトイレは、あるお店に行き、実際に便器に座ってみたりしながら採寸して決めたのだと、Kさんは笑って話します。脱衣スペースの手前で段を上がり、浴室・浴槽までフラットにした造りも、従来のバリアフリー設計とは異なり、個性的。トイレ→浴室→洗面台を結ぶ斜めの動線も見事です。 南欧風のゆったりした外観デザインは、奥さんがイメージに描いたもの。オレンジ色に波打つ洋瓦は、こだわりの特注品です。ウッドデッキは当初、方形の予定でしたが、木の香の家の提案で円形に変更。おかげで外観だけでなく、リビングからの眺めも表情豊かになりました。天窓のある斜め天井と梁が広がりを醸し出す明るくウッディなリビングは、プラズマTVとプロジェクターを備え、2人並んで映画を楽しめる空間でもあります。 新居に暮らして約半年。ようやく植栽も整い、また新たな季節を迎えていたKさん宅でした。 |
寝室側からリビングを見渡す。右手梁から左壁面に向かって映像を映し、ホームシアターを楽しんでいる。 |
玄関からリビング・食卓・キッチンの全景。 |
お風呂の様子。ハンディキャップは人によってさまざまに違っている。施主と設計者の相互理解の賜物。 |
洗面の詳細。車イスの高さを計算し、ぴったり身体を寄せられるよう、収納下部をカットしている。 |
寝室隣の書斎。入り口ドアから斜めの動線でたどり着く。手前の書棚の下部もちょうどの高さでカット。 |
トイレ。5枚のドアを蛇腹にして、円形レールをスライドするようにした。 |
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■建築データ
構造規模/木造・2階建て 延床面積/123.11m2(約37坪) <外部仕上げ> 屋根/洋瓦 外壁/ジョリパット 建具/玄関ドア:断熱玄関引戸、窓:樹脂サッシLow-Eペアガラス <特徴的な内部仕上げ> 床/ナラ無垢板 壁/クロス・腰壁:パイン 天井/パイン <断熱仕様> 基礎/ビーズ法ポリスチレンフォーム(特類)120mm 壁/高性能グラスウール16kg100mm 天井・屋根/高性能グラスウール16kg200mm ■工事期間/平成15年7月〜11月(約5ヵ月) |
前回ご紹介の家はこちらです |
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