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外観夕景。壁の質感が最も伝わってくる時間。
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懐かしさのある空間が現代人を癒す
古民家の味わい漂う
秋田の電化住宅
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茅葺き屋根をモチーフにした外観が、新興住宅街の中で落ち着いた佇まいを見せるKさん宅。まだ30代の若いご夫婦ですが、伝統的な「日本の意匠」に強い思いを抱いていたということです。「自分たちが希望する住宅のイメージを伝える言葉がなくて、何となく『和風』というと、数寄屋造りの高級住宅だと誤解されて(笑)」。そんなKさんが何げなく街を見ていて、思わず引き込まれるように「すみません、お宅はどこの会社に家を頼まれたのですか?」とドアをノックしたのが、五蔵舎が建てた家でした。プランニングでは「『いかにも新築』じゃない、『古びた味わい』を感じさせる家」「格子や障子からの光を楽しめる家」「風通しのいい家」「図書室のある家」「寝そべって星が眺められる家」「模型づくりを楽しめる屋根裏部屋がある家」「子どもの頃に触れた『日本の意匠』に出会える家」というコンセプトをもとに家づくりが進められました。
そのお宅の印象は、抑制された光の取り入れ方により生み出された、抑揚のある空間美。古民家や角館の武家屋敷群などが持つような空気感です。そして、その室内を心地よく包んでいるのがオール電化の暖かさ。燃焼に伴う音や臭いなどがない、清浄感ある柔らかな室内環境をつくり出しています。しかも高性能住宅だから、電気代コストもぐっと経済的。 「本を読んだり書き物をするための、昔の学校の図書室のような場所をつくってほしい」など、Kさんの希望をカタチにした住まい。言葉の端々から、建て主と施工者の深い信頼感が感じられました。 |
ダイニング側からリビングの全景を見る。 |
玄関からすぐの階段。左手に蓄熱式電気暖房器。 |
古材の梁をあしらって床の間に見立てたリビング正面。 |
リビング側からの室内全景。 |
ロフト部分の様子。 |
2階「図書室」全景。天井は梁組現し。 |
雪や光をコントロールする深い軒の出。 |
玄関内部。格子越しの光がこの家の雰囲気を伝えてくれる。 |
キッチンの様子。 |
玄関左手の「塗りごめ」の和室。 |
2階ギャラリーからロフト部分を見る。 |
■建築データ
構造規模/木造・2階建て 延床面積/192.90m2(約58坪) <外部仕上げ> 屋根/アスファルトシングル葺一部瓦葺 外壁/杉下見板張・ジョリパットじゅらく風吹付 建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:木製サッシ一部アルミ樹脂サッシ(Low-Eガラス) <特徴的な内部仕上げ> 床/赤松古材調仕上 壁/薩摩中霧島壁塗一部紙クロス 天井/薩摩中霧島壁塗一部杉野地板現し <断熱仕様> 基礎/防蟻ビーズ法ポリスチレンフォーム70mm 壁・屋根/ウレタン外張ボード50mm ■工事期間/平成15年5月〜10月(約5.5ヵ月) |
前回ご紹介の家はこちらです |
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