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*新築事例:一押し住宅

イチ押し住宅

イチ押し
外観
2色のサイディングと窓の配置がアクセントになった外観。

強風や寒さから家族を守る、頼もしい住まい

■羅臼町・Tさん宅
■設計施工/藤本建設(株)
 TEL:01538-2-2217
 E-mail:fujiken@aurens.or.jp

蓄熱効果で、安心の暖かさ
 「羅臼は一年中、風が強く冬も寒さが厳しい環境なので、耐久性と暖かさに重点を置きました。間取りも自分たちで考え、6年越しの計画でした」とご主人。Tさん宅は目前に羅臼の海、背後に山を頂き、山から吹き下ろす風が特に強い地域に建っています。
 「藤本さんに施工を依頼したのは、耐久性があり風に強いブロック住宅の施工に慣れているということと、SHS工法なら暖かい家になると思ったからです」。実際に住んでみて、その暖かさに驚かされたというTさんご一家。1階の和室以外の部分と中2階のプレイルームに床暖を入れていますが、それだけで家中が暖かいといいます。リビングに据え付けたストーブは、寒い夜に使う補助暖房程度。「当初から床暖を希望していましたが、ここまで暖かいとは思ってもいませんでした」とご主人は話します。
 暖かい家の良さを特に強く実感したのが、「一昨年の真冬、停電のとき」と語るのは奥さん。強風で送電線が切れ、真冬に2日間停電したことがあり、復旧するまではもちろん、ストーブも床暖房も使えない。「どうなることか」と心配していましたが、Tさん宅では、床暖の熱がコンクリートに蓄熱されていて、床暖が入っている部屋は暖かいままだったといいます。「それまでは、コンクリートが蓄熱するといわれてもピンと来ませんでしたが、このとき初めて実感しましたね」。
 どんなに強風の中でも今までとは違い、大きな安心感があるというTさん宅。「家族みんなが安心して住める最高の家」とご主人は語ってくれました。


玄関
吹き抜けで開放的な玄関スペースは、ご夫妻のこだわりで実現したもの。

階段室
玄関からプレイルーム、2階へと続く階段室。吹き抜けの高さは3.5メートルある。


地域の特性を考慮した
暮しやすい家づくりを

 良い家づくりに欠かせないポイントのひとつが、気象条件を考慮することです。Tさんのお宅のように一年を通して風が強い場所では、躯体の頑丈さはもちろんのこと、窓などの開口部の大きさやガードが重要になります。羅臼では窓にシャッターを取り付けたり、開口面積をできるだけ少なくする家が多いため、Tさん宅ではひとつひとつの窓は小さめに、けれど設置数を多くすることで採光を十分に取り、日射による暖かさを室内に確保しました。耐久性に優れたコンクリートブロックの躯体は、それ自体が大きな蓄熱体。それをさらに、スタイロフォームですっぽりと包むSHS工法により、風と冬の寒さが厳しい環境にぴったりの家をつくることができます。Tさんご一家は思わぬ停電でコンクリートが蓄熱することを実感されましたが、環境を考慮して家づくりをすすめることの重要性を、私自身も再確認する良い経験となりました。
(藤本建設株式会社 代表取締役 藤本 謙二さん)

ダイニング・キッチン
出窓からの陽射しも暖かい、ダイニング・キッチン。

和室
左手のサンルームから暖かい陽射しが射し込む和室。

窓
風と寒さ対策のため窓は小さめにし、配置の仕方でアクセントをつけた。


プレイルーム
車庫上につくられた中2階のプレイルームは、小さな窓を天井近くまで配して、一日中明るく。24時間換気システムで、シックハウス対策も万全だ。
図面
■建築データ
構造規模/CB造・2階建て、延床面積/231.52m2(約71坪)
<外部仕上げ>
屋根/ウレタン塗膜防水
外壁/防火サイディング
建具/玄関ドア:断熱玄関ドア、窓:樹脂サッシ
<特徴的な内部仕上げ>
床/フロア
壁/準不燃ビニールクロス
天井/準不燃ビニールクロス
<断熱仕様>
基礎/スタイロフォーム50mm(スカート断熱)
床下/スタイロフォーム25mm
壁/スタイロフォーム50mm
屋根/スタイロフォーム75mm

■工事費用/約4,650万円
■工事期間/平成13年5月〜10月(約6ヵ月)


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