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通り側の外観。
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町並みを意識した、
新しい函館の町家
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函館の伝統的な町並みの面影を残すこの辺りは、下町の気さくさと老舗等の気品が漂う一角。通りに面し、奥に深い長方形の敷地で、両隣は空地だが、将来建築の可能性もある。隣地に何が建とうと、それらに左右されずに、敷地内だけで全ての生活と商いが、機能的かつ快適に、そして心豊かで楽しく完結できること。と同時に、周辺環境を壊さない外への配慮。この両面から、敷地を活かす建物を考えていった。
1階では、最低限、全ての生活ができる床面積を除いた、屋外スペースをいかに広くバランス良く建築とからめて、敷地にレイアウトし、一体活用するかがポイントとなった。そこで、南にカーポート、中央に坪庭(パティオ)、通り側に軒先(ポーチ)を確保しつつ、前面に2階を載せたコの字型の建物を展開させた。日照・通風、町並みのたたずまいの問題も解決。守られながらも開放的で落ち着き、のびやかに、自然や町の気配が感じ取れ、多様な屋外生活もできる、新しい町家が生まれた。 (文/永田史明) |
周囲には下町と老舗の気品が漂う。
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店舗とガラスで仕切られた居間。
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和室より中庭を見下ろす。函館山も見える。
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2階ホール。上部に開口を取っている。
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カーポートから中庭を見る。
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食堂より居間(左)とキッチン方向を見る。
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■概要データ
敷地面積/166.06m2(約50坪) 建築面積/86.12m2(約26坪) 延床面積/119.25m2(約45坪) 構造/木造 用途地域/商業地域 |
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前回ご紹介の家はこちらです |
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