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愛着に応える 本物の質感をたたえる家
■旭川市・Nさん宅 |
永い時間の経過に耐える性能とデザイン ご主人の仕事の関係から欧米での生活経験があるNさん。住まいや暮らしの文化性についても豊かな感受性をお持ちです。そんなNさんの目から見ると、日本の住宅づくりにはがっかりすることが多かったと言います。質感のない外壁や伝統を感じられない外観デザイン、薄っぺらな印象を受ける内部空間のディテール…。お話からも「住宅へのしっかりした価値観」が感じられるNさんが、実際に建った住宅を肌で感じて「ここなら」と思えたのが、伝統的な軸組へのこだわりを持ったビルダー、芦野組でした。 出来上がった家はいかがですかという問いに、「しっかり、がっちり出来ていて、明るくて、暖かい家!」。まさに「空間の肌触り」を感じているようです。けっして奇をてらうことのないシンプルでシンメトリーな外観デザイン。「オーソドックスな家にしたかった」とおっしゃるNさんですが、そうでありながら深みのある味わいを作り出すには、ディテールにしっかりした「本物へのこだわり」が発揮されなければなりません。芦野組の住宅づくりへの姿勢にも繋がる部分なのでしょう。住宅各部を説明する作り手の語り口の中に、強くそれが感じられました。内部も、空間の間合いの取り方や仕上げのバランス感覚が、心地よく肌に伝わってきます。 「インテリアをもっと楽しみたい」というNさん。この素敵な器は今後さらに輝くような空間に育てられていくことでしょう。 |
階段から玄関を見下ろす。左側は歩いていける玄関収納室。 |
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居間は南に面して2層分の吹き抜け。床も一部タイルにして変化を楽しみ、機能を満たしながらインテリアとしてまとめている。 |
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玄関内部の様子。階段が目の前に広がる洋館風の造り。 |
■建築データ 構造規模/木造・2階建て、延床面積/189.89m2(約57坪)、 <外部仕上げ>屋根/長尺カラートタン、外壁/モルタルパターン塗、油性アクリル仕上、建具/玄関ドア:木製、 <特徴的な内部仕上げ>床/カバフローリング、壁/珪藻土入コンパウンド、クロス(抗酸化工法)、天井/メイプル羽目板、 <断熱仕様>基礎/押出ポリスチレン(B3)100mm(スカート断熱)、 外壁/グラスウールサン16kg100mm+グラスウール48kg25mm、屋根/ブローイング400mm ■工事期間/平成12年5月〜10月(約6ヵ月) |
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