ホール。「角壁」に囲われた空間。 昼間の様子。 | |
| |
西側外観。 |
■札幌市東区・Tさん宅 ■家族構成/親子2人 ■設 計/米田浩志建築研究舎 TEL011(571)1695 ■施 工/常磐工業株式会社 TEL011(56)3046 ■写真撮影/安達 治 ポーチ部分より見る。右手に桜の木。 |
|
2階アトリエよりホール上部までを見る。 北の建築家たち 米田 浩志/米田 朋子
プロフィール
米田朋子 |
■建築データ 構造規模/木造・2階建て、延床面積/125m2(約38坪)、<外部仕上げ>屋根/長尺カラー鉄板葺き、外壁/フレキシブルボード・ガルバリウム鋼板小波板、建具/スウェーデン製木製サッシ(ノルド)、<特徴的な内部仕上げ>床/ナラフローリング、壁/プラスターボードEP、天井/プラスターボードEP、<断熱仕様>基礎/硬質ウレタンフォーム吹き付け30mm、床下/FP板25mm、外壁/グラスウール100mm、天井/ブローイング300mm ■工事期間 平成10年6月〜10月(約5カ月) 団欒の場であるホールより2階までを見上げる。 |
|
ホール。夜の様子。昼間とは対照的な空間。 |
台所の様子。 白が基調に。 |
|
階段降り口より。 |
この家は、FBボードで仕上げられた直線の壁と直角の壁で構成されています。直線の壁は、人を家の中へ誘い入れるためのものです。そして、直角の壁「角壁」は、空間を囲うことを表現したものです。 人々の生活は、空間が囲われることによって始めて安心感が得られると言えます。しかし、囲われた空間が窮屈になっては特に冬の暮らしがゆううつなものになります。そこで、この家にホール空間を設置しました。このホール空間は、食事の場であり団らんの場であり接客の場でもあります。日常生活の中心となる空間です。ここから、2階のアトリエに透明感のある階段によって接続し、吹抜けを介して一体化させています。これによってホール空間が広がりを持ち、外部的な開放空間を取り入れる仕掛けにもなっています。そして、この直角の壁「角壁」の仕上げには、内外部とも同じ素材が用いられています。これによって、内外部が浸透したように感じられ、空間の開放性がより一層強められています。
直角の壁「角壁」が振れているのは、南側の私道に「角壁」による圧迫感を与えないための配慮です。そして、以前オーナーが植樹した桜の木を「角壁」のコーナー窓から見守るためでもあります。春が訪れた時には花が咲き乱れ、室内に彩りを与えることでしょう。 文/米田浩志1999.2.23. 米田浩志建築研究舎 |
前回でご紹介の家はこちらです |