南からの外観。建物中心部の明かりとり用の塔がシンボリックな印象。 |
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北西からの外観。2層分の木製のカーテンウォールが特徴的。 リビングの様子。 |
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■門別町富川・Kさん宅 ■家族構成/ご夫婦60代・ネコ1匹 ■設 計/(株)北文創・大元 知己 TEL011(572)7466 ■施 工/磯田建設(株) TEL01456(2)1137 ホール上部。2階ブリッジより見る。 |
リビング側より見上げる。各空間の中心となる4本の丸柱(いわば大黒柱のようなもの)が真っ直ぐに立ち、さらにこの上部は明かりとりの塔となっている。 |
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■建築データ 構造規模/鉄骨造・2階建て、延床面積/250.68m2(約75.8坪)、<外部仕上げ>屋根/長尺カラー鉄板横葺き、一部蟻掛葺き、外壁/レンガ積み、一部高強度中空押出成形板AEP、建具/木製サッシ、<特徴的な内部仕上げ>床/カーペット、壁/ジョリパット、天井/松板、<断熱仕様>基礎/フォームポリスチレン50mm、外壁/フォームポリスチレン25mm+グラスウール100mm、床下/フォームポリスチレン50mm、天井/ブローイング200mm、屋根/フォームポリスチレン15mm ■工事期間 平成8年3月〜平成8年11月(約8カ月) 2階ラウンジの様子。現在はご主人の書斎に。 |
2階のヒバ貼りの浴室。大きな窓からの眺めが気持ちいい。 和室の様子。床柱はかなり探したそう。 |
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ホール上部までを見上げる。扇形の天井は松板貼り。 |
日高の雄大な自然と太平洋を望む丘陵地の高台に建つこの住宅は、仕事の関係で道内各地を転々としていたKさんご夫婦が退職後に定住する住まいとして計画されました。 Kさんが設計者の大元さんの自邸をリプランで見て、知人を通して依頼されました。Kさんのイメージするものと大元さんのコンセプトが一致し、設計に長い時間をかけじっくりとプランを練ったそうです。 敷地は、高台で周囲三方が開かれ、北西には富川の街並みが、西南には林とその樹木越しに日高の海が望めるロケーションの良いところです。そのため、この眺望を活かした配置計画がされています。 構造は鉄骨造で、プランは4本の鉄骨丸柱を中心に軸をとり、機能の異なる空間を配置しています。2つの扇形部分はパブリックゾーンに、長方形の部分はプライベートゾーンとなっていて、この2つのゾーンは明確に分けられています。開放感のあるパブリックゾーンは周囲の眺望を重視して曲線を使い、その曲面部分は木製カーテンウォールの大きな開口部分とレンガ積みの曲面ウォール部分で組み合わされています。2層にわたる木製カーテンウォールの部分は、1階はリビング、2階はラウンジ(現在はご主人の書斎となっている)となっており、明るく開放的で外部への空間の繋がりを感じさせます。また、大元さん自身は「パブリックゾーンからプライベートゾーンへの空間の変化を感じとれるように、階段を登る・ブリッジを渡るなどの空間を移動する時々に、目に飛び込む内外の風景の変化が楽しめるように心がけました。」と言っています。
「北海道にふさわしく語りかけてくるような建物を考えていきたい」と語る設計者ですが、この住宅は周囲の環境に調和した、大らかな、思いが伝わってくるような住宅でした。 |
前回でご紹介の家はこちらです |