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イチ押し住宅
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「暮らす」を楽しみ

キッチンに幸せの香りが満ちる

■札幌市中央区・Oさん宅/夫婦30代
■設計/(株)アカサカシンイチロウアトリエ 赤坂 真一郎 田中 茂
HP:http://www.akasaka-atelier.com/
■施工/(株)奥野工務店
HP:http://www.okuno-kk.com/

今回の事例は、リプラン北海道 Vol.91に掲載しております。
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文/赤坂 真一郎

 クライアントは素朴な生活の楽しみ方を知っている料理好きのご夫妻である。
 そんな2人に似合うよう、建物のフォルムも直方体の隅をカットしただけのシンプルな形。切り口はそのままガラスを入れた開口とし、そこにテラスを設け、敷地内の大きな白樺と建物とを強く関連付けている。
 若い2人には将来、自宅でカフェを開きたいという夢がある。この夢に対応するため、内部は明確な間仕切りがなく、階による機能の振り分けも曖昧で、必要に応じてロフトも設置できるフレキシブルな空間構成とした。さまざまな天井高を持つ開放的な室内空間と、計算された窓の位置と採光が、外部の単純なフォルムからは想像できない多彩な表情を内部に展開してくれる。
 こうした主旨に沿ってキッチンもオープンなつくりとしているが、それは見せるためではなく、2人がストレスなく料理を楽しむための必要最低限の機能を持った、良い意味で質素な厨房である。ハードな使用に耐えうるステンレスの天板と2つのシンク、ハイカロリーの電気オーブンなどは装備しているが、基本的には天板とそれを支える4本の脚だけで、あとは足元をベニヤ板で囲っただけである。
 ソフトクローズする引き出し収納や、電動昇降の吊戸棚、海外製の高級水栓、全自動の食洗機など、一般的にイメージするいまどきの「キッチン」はここにはない。「ホコリが入る」「見えるから片付けが大変」と敬遠されがちなオープン棚も、彼らはその「面倒」な行為を料理に付随する楽しみのひとつとして捉え、受け入れている。
 こうした彼らの「人生」の楽しみ方が、キッチンのみならず、建物全体のローコスト化に大きく貢献しているのは言うまでもない。

Photo Data

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Data

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■住宅概要
〈コバコ・ノイエ〉
所在地/札幌市中央区
家族構成/夫婦30代
構造/木造・2階建て
延床面積/93.00㎡(約28坪)
工事期間/平成21年8月〜12月(約5ヵ月)

今回の事例は、リプラン北海道 Vol.91に掲載しております。
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■札幌市中央区・Oさん宅/夫婦30代
■設計/(株)アカサカシンイチロウアトリエ 赤坂 真一郎 田中 茂
HP:http://www.akasaka-atelier.com/
■施工/(株)奥野工務店
HP:http://www.okuno-kk.com/

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