「仕事を辞めたら、夫婦2人、都会のマンション暮らしではなく、どこかに移り住もうと土地を探していたんです。」
2年前に千葉県から移住したAさんご夫婦は、長野や栃木、福島、岩手、そして伊豆と方々を歩き回ったといいます。鹿部の別荘地に土地を買い求めたのは平成7年。決めては、田舎ながらリゾート地なのでしがらみが薄いこと、山があり海があり、水や空気もきれいなこと、温泉が引けることなど。そしてそこに建てる家は最初から、新聞広告や雑誌で見ていたOMソーラーを考えていました。
夏は霧が出やすい一方、9月に入ると天気のいい日が続く鹿部。太陽の恩恵が特に欲しい冬、ここではその陽射しと熱を申し分なく受け止めることができます。そうして床下のコンクリートに蓄えられた熱が、足下からふわっと暖かさを運び、回る空気が室内をまんべんなく暖かさで満たします。さらに、床下はどこも乾燥しているので結露もありません。
「朝と夜に補助暖房をつける程度で、就寝時は暖房を切っています。それでも、例えば外気温がマイナス5℃の朝も、家の中は18〜20℃くらい。本当に過ごしやすいですね」とご主人。引越してきてからは毛布も出していません。年間の灯油代も少なく、昨年は6万円弱。といっても、家には温泉が引かれていますが、昨年までは湯温が25℃と低く、ご主人が毎日朝と晩の2回入浴するたびに湧かしていたとか。それが今年から供給される湯温が倍近くに上がり、そのまま入れるため、さらに灯油代が減るのではと期待しています。
敷地の一角には畑もつくられています。収穫は料理好きなご夫妻の手で、食卓へ。そのひと時を包む穏やかな暖かさ・・・。夫婦2人の心豊かな暮らしが垣間見えた気がしました。
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