4つの円がひときわ目を引く、個性的な外観のTさん宅。外壁は木質とガルバリウムをベースに、赤い外壁材をポイント的に使い、シンプルな形態ながらシャープでモダンな仕上がり。お施主様は建材関係というお仕事柄、自宅の新築にあたってはビルダー選び、デザイン、住宅性能に大いにこだわったといいます。
住宅性能では、ヤマト設計工房が自信をもってすすめる新在来木造構法を採用。しっかりした断熱・気密の技術により、高い性能を発揮。基本となる性能がかっちり押さえられているからこそ、ご覧のような大胆な空間デザインが可能になったわけです。
平面計画では、中庭を囲むプランを採用。1階は玄関側に水まわりを配置し、吹き抜けと2階ブリッジをデザインしたリビング、奥にキッチンと和室という構成。2階は手前側に子ども室、奥に夫婦の寝室を配置して、プライバシーに配慮しています。リビング南側に開かれた中庭は、寒冷地での暮らしに開放感をもたらしてくれる象徴的な存在。防寒を十分考慮しながら、それを超えて日射をたっぷり取得し、パッシブソーラー的な住宅を実現しています。
暖房はセントラルヒーティング。上下の温度差のない心地よい暖かさに、日射からの暖かさが加わり、寒風吹きすさぶ外とは別世界です。さらに、収納の充実ぶりも見逃せません。リビングの見せる収納、寝室の合理的で大容量な収納と、各室の目的に合わせてきめ細かに造作。また、2階ホールの床はメタル系など、素材使いにもアイデアが光ります。
Tさん宅には、冬が長い北国の住宅だからこそ求めたい、室内の楽しさ、心地よさが散りばめられていました。
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