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アールの屋根とポイントカラーに使った赤が外観を印象づけている。 |
北の建築家 HOBBY-HOUSE
■札幌市豊平区・Iさん宅 |
何回もお聞きして初めて、ご主人はこうおっしゃいました。 「実は趣味の自転車のチューンナップとスキーのワックスがけのできる部屋がほしいんだけれど、こんな狭い敷地(57坪)じゃ…。」。 つまり初めから諦めておられたわけです。「可能かどうかは考えずに」と促してみたところ、「夜中まで自転車をいじった後にバタンと眠れるといいな。外から直接部屋に出入りできるといいな」などなど、ご要望が盛り沢山。 すると奥さんからも、「汚れるので自転車は玄関から出入りしないようにしてほしい。でも愛犬のフクちゃん(ラブラドールレトリバー)は、出入りさせたいから足を洗うところが欲しい」などのご要望が。結局、私は沢山のリクエストを抱えて帰途についたのでした。 数日かかってこれらを盛り込んだプランを作成しました。お伺いして図面を広げると、先日とは別人のようにご主人が目を輝かせて、身を乗り出してきました。そして奥さんをそっちのけで、プランに熱中し、こうおっしゃったのです。「すぐ建てよう!」。 プランでは更に、眺望の良さを生かすために2階リビングとし、南面の両角はコーナー開口とし、大きな木製の窓を入れました。こうすると藻岩山系が一望でき、毎日四季を感じることができます。南隣の公園も自分の庭のように組み入れました。そうして、ご主人にも奥さんにも楽しみな家のプランができあがりました。 そして甘えん坊のフクちゃんのためには、お母さんのそばにいつもいられるよう、寝室(和室)の隅に専用のスペースを設けてあげました…。
文/西尾 吉弘
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2階の居間。南面の両角をコーナー開口としている。 |
居間と食堂は天井を高くアール形状にし、ハイサイドライトを設け、開放感ある空間に。 |
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庭からカーポートとなったアプローチ方向を見る。限られた敷地に無駄なく建物を配し、十分な庭スペースを確保。 |
1階のご主人の部屋。趣味の自転車とスキーの手入れ、そしてここはご主人の寝室でもある。 |
玄関。左横の壁を隔ててご主人の部屋に直結する専用の出入り口が設けられた。 |
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■2F ■1F |
■建築データ 構造規模/木造・2階建て、延床面積/112.62m2(約34坪)、 <外部仕上げ>屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/モルタル下地、弾性アクリルリシン吹付、一部ガルバリウム鋼板、建具/玄関ドア:アルミ製断熱ドア、窓:樹脂サッシ、一部木製サッシ、 <特徴的な内部仕上げ>床/フローリング、壁・天井/ビニールクロス貼、 <断熱仕様>基礎/スタイロフォーム30mm、床下/ロックウール150mm、壁/ロックウール100mm、天井/ロックウール200mm、屋根/スタイロフォーム20mm ■工事期間/平成12年5月〜8月(約4ヵ月) ■工事費用/約1,770万円 |
前回でご紹介の家はこちらです |