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四季折々の大自然を眺め 湖畔に暮らす
■苫小牧市・Kさん宅 |
白鳥も飛来するという湖に臨み、森の中、静かに佇むKさん宅。青サギ、キツツキ、エゾシカ、エゾリスなど動物たちを目にする機会も多く、自然との共生を肌で感じながら生活を楽しんでいます。以前住んでいた平屋のお宅が手前にあるので、景色を楽しむためずいぶん足長のデザインになりました。それがこの家の特徴となり、家を支える18本の柱は周りとの調和を考えて爽やかなグリーンに。1階ピロティーのコンクリート打ち放しの階段が、アクセントになっています。 一人暮らしを前提に作られた家で2階に居間、キッチン、寝室、水回りを集約。シンプルで、動線的にも無駄のないレイアウトになっています。居間は湖と暮らすライフスタイルを重視して窓を大きく取り、季節毎に変化する眺望を生活空間に取り込むようにしました。一度ソファに腰を落ち着け景色に目をやると、何時間もここでくつろいでいたくなるような心地よさを覚えます。「やりたいことはキッチリ伝え、あとはプロである山本さんにお任せしました。素人が主張しすぎるのはダメ、いい折り合いをつけなくっちゃね」というKさん。建築家との出会いを大事にし、押すところと引くところを上手にコントロールしながら、プランを煮詰めていったようです。以前の家で使っていた家具もしっくりと馴染み、新しい家でありながらどこか懐かしい。自然体でいられる時間は何にも代え難いことを発見したようです。 |
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木に囲まれ、湖を一望する場所に建つ | ||
仕事はもちろん、子育ても何もかも手抜きは一切せず、12年間突っ走ってきたんです。その子供たちもそれぞれの道を歩み始め、自分自身に帰って安らぐ場所を持ちたいと考えるようになりました。「一人暮らしは寂しくない?」と聞く方もいますが、一人は煩わしさがないので性に合っているようです。また、寂しいと感じるのなら何処かへ出掛けていけばいいわけで、親友たちも遊びに来てくれますから寂しいとは思いません。今はくつろげる場所がみつかり、旅先で買い求めた思い出のグッズに包まれ充実した気持ちで毎日を過ごしています。将来このまま一人でいるかどうかは別に今答えを出す必要はないでしょう。その時がきたら考えますから。
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多様な使い方ができるピロティー。 |
ピンク色が明るい印象を与えるコンパクトなキッチン。アイランド型のカウンターが空間の仕切り食卓、配膳台と何役もこなす。 |
湖と反対側は道路に。将来的には、2階玄関ホールと道路をダイレクトにつないで、階段の上り降りをしなくもいいようにと考えている。年齢に合った暮らし方を見据えて |
コンクリート打ち放しの階段を上って住居部分へ。 |
■建築データ 構造規模/鉄骨造・3階建て、延床面積/116.16m2(約35坪)、 <外部仕上げ>屋根/アスファルト防水、一部ガルバリウム鋼板葺、外壁/INAXエクセリア ソルム(防火サイディング)、一部ガルバリウム鋼板小波、建具/既製樹脂サッシ、 <特徴的な内部仕上げ>床/フローリング、壁/クロス、一部羽目板、タイル、天井/クロス、 <断熱仕様>床下/グラスウール150mm+EFP板40mm、壁/グラスウール100mm+無機質繊維吸音板25mm+25mm、天井/グラスウール200mm+無機質繊維吸音板25mm+、屋根/EFP板25mm ■工事期間/平成11年8月〜12月(約4か月) |
前回でご紹介の家はこちらです |