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*新築事例:一押し住宅

イチ押し住宅
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正面からの外観。カラマツ外壁は明るい色調で、上部のサイディングとツートンカラー。左手が玄関アプローチ。右の入り口は「工房」の出入り。

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■設  計/キース建築デザイン
      011(762)1955
■施  工/(株)前田建設
      01452(2)2792

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西側側面の様子。。

 
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南側からの外観。敷地はやや高い位置にあります。華やかな色合いの外観で一目を引きます。
 

 
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工房の玄関内部。外壁とは一転して赤みのあるカラマツの表情を活かす。
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工房の事務所スペース。カラマツの構造と腰壁と白壁が調和。床も一面、カラマツのフロア。
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2階の菊池さんの「別荘」居間スペース。梁・柱・壁材・フロアとすべてカラマツ仕上げですが、赤みを抑えて白っぽい塗装(オスモ)で落ち着いた雰囲気。レンジフード回りの処理は設計者が頑張っています。
 

 
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工房の大空間を支えるカラマツのトラス。
 北海道のいたるところでカラ松を目にすることができますが、カラ松は昔から建材としては、軽んじて扱われる傾向にありました。何故なら切った後でねじれたり、反ったりとよく暴れるので建築材料には向かないと考えられていたからです。ヤニの問題もありました。
 その点、施主でカラマツに愛着を持つ菊地さんは、そうした特性をよく把握していて、将来自分が使うことを目的に、平成6年に切り出したカラ松を時間をかけてゆっくり自然乾燥させています。今回の計画にあわせ本格的に製材し、数回引き直しました。柱は背割りに、板などは裏筋を入れて狂いやすいという短所を補ったりしています。
 1階は芸術家の活動の場にしてもらおうと工房に。2階がセカンドハウス的なスペース。早来の市街化調整区域に隣接するこの建物は、建具など一部輸入材を除き、構造材をはじめそのほとんどが地元のカラ松から出来ています。
 敷地は約300坪ある北東の角地。前面道路より2メートルほど高くなった場所にあります。住宅ではないので、大胆なコントラストの色を組み合わせた、人の目をひくような外観が特徴的。集いやすく、また地域の目印にもなればと考えたからです。1階の工房は広さと高さのある空間になっているので、将来いろいろな教室として開放して複数の人が利用しても、のびのびと創作活動に励むことができそうです。露出しているカラ松には体に優しい自然塗料のオスモを使い、地肌の色そのものを生かしました。
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2階の寝室の様子。

 2階の部屋は玄関も別で、工房とは独立しています。パステルイエローに近い色で、カラ松の持ち味を壊さない程度に着色。やはりここでもオスモを使用しています。クロスも和紙を使うなど自然素材へのこだわりが随所にうかがえます。  木にはそれぞれ持ち味があり、カラ松には、素朴で気取りのない暖かさがあります。これは同じ風土で生きる北海道人にも共通している性格の部分ともいえるでしょう。反面、高級感とか、重厚さには欠けます。多用しすぎると、安手の山小屋になりがちなので、今回の設計ではどこもかしこも木張りにするということを避けました。その土地で採れた食べ物をその土地で食べるのが一番おいしいように、家もその土地で育ったものを使うのがいいという話を聞きます。カラ松の長所も、短所も知った上で付き合っていくと、いい関係がきっと継続していくはずですね。

そろそろ地元自前の木を上手に使わなくっちゃね
〜施主・菊地勇次郎さんの思い〜

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 仕事の牧場開発のためにカラ松林を伐採し、大量に出たカラ松を有効に利用したい。菊地さんの考えは既に決まっていたといいます。
 「昔から、不愉快に思っていたね。何年も、何十年もかけて大きく育ったカラ松が粗末に扱われて。外国だってそういつまでも日本に木を輸出してくれるわけじゃないから、そろそろ自分たちの目の前にある木を活用すべきだよ」
 土地や日当たりなどの条件が木の育ちを左右しますが、伐採したカラ松をはじめてみたときに菊地さんは「建築に使えるぐらい育ちのいいカラ松」と経験から判断。しかも4年以上野積して、狂いを少なくするため自然に、自然に乾燥。その原木を眺めては「どんな建物にしてやろうか」と想像を楽しんできたそうです。
 大工仕事も好きだという菊地さんは、カラ松のテーブルやイスなどもお手のもの。これからカラ松に新しい命を吹き込んでいこうと考えています。
 



MAEP.gif  前回でご紹介の家はこちらです 

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