ライフラインが断たれた時の実態調査報告_3

ライフラインが断たれた時の暖房と室温低下の実態調査報告

2011.6.25 
住宅技術評論家・南雄三

②次世代省エネルギー基準レベル
<暖房せずに過ごした>

宮城(複層+エコガラス) 電気蓄熱ストーブ 4日間
主暖房は電気蓄熱暖房機で2日目までは余熱で暖かかった。3日目以降は日中晴れていたので、カーテンをすべて開け(レースカーテンも)部屋を太陽熱で暖めた。夕方、日が暮れる前にカーテンを閉め、極力熱を逃がさないようにした。衣服は通常より一枚多く着用し、夜は早く布団に入り、寒さをしのいだ。室温は10℃を下回ることはなかったと思う。

宮城 エアコン 5日間
停電でエアコンが使えなくなり,そのまま暖房なしで過ごしました。室温は10℃を下回ることはありませんでしたが,かなり寒さを感じ,厚着のほか毛布を掛けたりして過ごしました。

岩手 温水パネル 2日間
温度が下がらない工夫。玄関ドアは早く閉める、あまりあけない、服を着込む(外出する時の服装ほどではないが)、一部屋にあつまる等。おおよそ12~13℃程度だったと思う。

岩手 電気温水式パネルヒーター 2日間
地中熱ヒートポンプの温水パネルで暖房していました。停電で動かなくなったので、カーテンを開け、太陽光を取り入れるようにしました。気温は日中の高い時で23℃、朝の低い時で15℃でした。夜と朝は1枚重ね着をする位で生活出来ました。

岩手 電気蓄熱式ストーブ 2日間
温度は分からないが、1日目はいつも通り、2日目がちょっと重ね着した程度。2日間なら気にせず過ごす事が出来ました。蓄暖に触ってみたけど、2日目でも少しあったかいと感じました。

岩手 温水パネル+エアコン+炬燵 3日間
暖房器具を使わずとも室温は12℃以上を確保できました(外気-5~-6℃) 
給排気口は一部を除いて閉じ、使用する部屋を一つにして気積を少なくし、玄関ドアの開閉を素早くし、やや厚着をして過ごした。石油ストーブは来客時のみ短時間使用。

青森 温水パネルヒーター+炬燵 2日間
主暖房の石油温水パネルヒーターは停電で使えずなので、ポータブル石油ストーブは非常用の為にと用意していたが使わず、2日間火のない炬燵にもぐりこんで我慢した。(以外に温かかった)室内温度は16℃を保っていた。(外気温は朝-2℃位)

靑森 太陽熱暖房・給湯システム 3日間
1日目昼から停電のためハイブリッドソーラーシステム(太陽熱温水蓄熱暖房システム)が停止したが、蓄熱効果のため寒さを感じずに3日目まで過ごした。

<別の暖房に切り替えた>
岩手 電気蓄熱式ストーブ 2日間
食事はカセットガスコンロにて調理 お湯は電気温水器にて二日間使用できた(風呂なし)
1日目は蓄熱暖房でOK 二日目から別暖房に切り替えた 反射式ストーブ

岩手 温水パネルヒーター+薪ストーブ 2日間
台所はハロゲンヒーターからLPGに変えていたのが幸いした。薪ストーブなので特に問題はない。小規模水力発電(沢水利用)を検討中

岩手 電気蓄熱式ストーブ 2日間
地震当日の夜は蓄熱暖房は十分暖かかったが、翌日より室温低下で石油ストーブを使用。反射式ストーブだったため換気に気を遣った。

③次世代省エネルギー基準未満
<暖房せずに過ごした>

宮城 エアコン 2日間 ※木造集合住宅
主暖房はエアコンですが停電で使えなくなり、そのまま暖房なしで厚着をしてすごしました。天気のよかった震災翌日の日中は外気の方が2,3度は暖かかったように感じました。

宮城 FF+エアコン 2.5日間 ※RC造集合住宅
電気復帰前は避難所にて開放型ストーブで暖をとった。後は厚着をして過ごした。

宮城 エアコン  1日間 ※RC造貸家
主暖房はエアコンですが停電で使えなくなり、そのまま暖房なしでジャンバーを着て過ごしました。

宮城 エアコン、電気ストーブ 5日間 ※木造集合
日中の採光も殆どないため、厚着と毛布に包まって対処。 夜間室温は6℃程度

宮城 エアコン 10日間 ※RC造集合
停電でストーブが使えなくなったため、布団の中に入っていた。

宮城 FFストーブ+エアコン 4日間 ※木造集合
停電で石油FFストーブ,エアコンともに使えなくなり,そのまま暖房なしで過ごしました。室温は10℃を下回るほどで,厚着のほか毛布を掛けて過ごしました。開放型ストーブの購入を考えましたが4日目に電気が復旧し助かりました。

宮城 FFストーブ(灯油)+エアコン(両方ともダメ) 2日 
震災後2日間は避難所(区役所)にいましたが、数台の石油ストーブをたいても暖かいのはストーブの周辺だけでしたし、人が集まっているので暖をとれませんでした。自宅から毛布2枚と厚着をして、長いすに横になって寝ましたが夜はそれでも寒かったです。                            
電気が2日後に回復したので、自宅に戻った後は日中厚着で過ごせましたが、夜と朝になると気温が氷点下になりました。灯油を節約するためにエアコンで暖をとったりペットボトルに電気ポットで沸かしたお湯を入れて湯たんぽ代わりにしていました。

岩手 温水パネル 1.5日間
窓の所で8℃、LDKで12℃、寝室14℃。また大きな地震が来るかも知れないので、普段着のままで就寝しました。厚着をすればそれ程寒いとは思いませんでした。古い家は大変だろうなと思いました。

靑森 FFストーブ 3日間
1日目は無暖房で過ごしたがとても寒かった 2日目は反射式ストーブで暖をとったが寒くて厚着をしてしのいだ。室温は5℃くらいまで下がったと思う。

靑森 FFストーブ 2日間
室内は外気と同じでした

靑森 温水パネルヒーター+エアコン+炬燵 3日間
厚着して過ごした

靑森 FFストーブ 2日間
二日間無暖房で厚着をして過ごした。居間はガスで調理をしていたので少し暖かかった。

<代替暖房器具に変えた>
岩手 FFストーブ 2日間 
ポータブル石油ストーブで寒さをしのぐ。昨年12月に大雪で停電があり、備えの必要性を感じ準備していたのがよかった

岩手 電気ヒーター、温水パネルヒーター 2日間 
薪ストーブ

岩手 FFストーブ 3日間
開放型ストーブ

岩手 FFストーブ+開放型ストーブ+炬燵 4日間 
主暖房はFFストーブですが停電で使えなくなり、仕舞ってあった開放型ストーブで過ごしました。就寝はストーブのある部屋に集まり厚着をして寝ました。

宮城 FFストーブ 3日間  ※鉄骨造戸建
石油ストーブ

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