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目指したのは、自然素材を生かし年月とともに味わいの増す家

(有)ガルボ空間工房

仙台市太白区山田本町9-28
TEL.022-307-5650
http://www.garbo-s.com/
施工エリア/宮城県内

 眺めの良さにこだわり、5年越しで土地を見つけたというNさん。仙台市街を見下ろす平屋は、どの部屋でも景色を楽しめるよう、くの字になっています。印象的なのは外壁に使われた土壁。大好きなアフリカにある家のような雰囲気を演出しています。しかし、はがれやすいという短所をクリアする必要がありました。ガルボ空間工房では左官職人と協力して、強度がある赤土、割れづらい黒土の比率を変えたサンプルを何度もつくり、色味とはがれにくさのバランスを確認したそう。完成した土はあえてラフに塗りこみ、力強い躍動感を生み出しました。
 ガルボ空間工房の最近の施工例で多いのは、お客様の意向を反映したシンプルモダンな雰囲気。今回のNさんのお宅とはかなり印象が異なります。しかしご夫妻は「私たちのやりたいことを理解してもらえるかどうかのほうが大事だったんです」とあまり気にしなかったそう。「代表の斎藤さんや大谷さんのほっこりした人柄もあり、『わかってもらえそう、こちらも遠慮せずに意見を言えそう』と思ってお願いしました」。家は最初から完璧なものではなく完成した後に住む人が住みこなしていくもの、というのがNさんご夫妻の考え方。予算を削るために屋内の壁は自分たちで塗り、収納スペースも自作です。「自然素材を使って、経年劣化していく家をつくりたかったんです。ガーデニングもイチからですごく楽しみ。5年くらいしたらきっと素敵な佇まいになると思います」。10年後、20年後の変化が楽しみな住まいです。

[写真提供/ガルボ空間工房]

■宮城県仙台市・Nさん宅
■設計・施工/(有)ガルボ空間工房(デザインビルド方式)

■建築データ
■構造規模
木造(在来工法)・平屋建て
■延床面積
85.26㎡(約25坪)
■主な外部仕上げ
屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/土壁、建具/玄関ドア:木製扉、窓:アルミ樹脂複合サッシ(Low-E・ペアガラス)
■主な内部仕上げ
床/無垢材、壁/漆喰 一部クロス、天井/クロス
■断熱仕様 <充填断熱>
基礎/押出法ポリスチレンフォーム3種50㎜、床下/A種押出法ポリスチレンフォーム3種65㎜、壁/現場発泡硬質ウレタンフォーム(A3)75㎜、屋根/現場発泡硬質ウレタンフォーム(A3)100㎜
■暖房方式
薪ストーブ・ヒートポンプ式エアコン

■工事期間
平成27年7月〜10月(約4ヵ月)


 設計士の感性の押しつけにならないよう、お客様主導の家づくりを心がけています。感性は男女でも異なるもの。ですので、ヒアリングの場には必ず男女のスタッフが関わるようにしています。複数のスタッフが関わることでお客様の思いを見逃すことなく、家づくりを進めることが可能になるのです。会社として特に取り組んでいきたいのは左官・タイルなどの職人の技。日本の気候風土に合っていて現代的なものと組み合わせることで可能性も広がると考えています。リユース、リノベーションとも相性がいいですね。職人は高齢化していますし、知識と技術があってもそれを発揮する場がないということもあります。技術を守ってより進化させられるよう、積極的にお客様に提案していきたいと思っています。