せっかく家を建てるなら、設計の自由度が高い木造在来工法で好みのデザインや間取りを叶えたいと考えていたNさん。インターネットや雑誌で木造住宅の家づくりについて情報収集するうち、性能がいかに大切な要素かを知ったと言います。「いろいろ調べた結果、たどり着いたのが新住協というグループ。断熱や気密の考え方に共感、納得しましたね。もともと寒いのは苦手だったので、冬も快適に暮らしたい!と思って(笑)」 そして、性能や仕様、間取りから家相までトータルで希望に合致したのがイノーバの高性能住宅でした。
この住まいは充填断熱+付加断熱で、UA値0・42という優れた断熱性能を実現。暖房には灯油式の温水床下暖房を採用し、温風ではなく床下からの放熱と自然対流で家全体を心地よい温度にキープします。プログラムタイマーで自動的にオン・オフできるので、無駄なエネルギーを使わないのも嬉しいところ。「日射があれば日中は暖房を切っても気にならないほど、建物の保温効果を実感。夏も暑い外から帰ると、かえって家のほうが涼しいくらいでした」といいます。
デザインにもこだわりました。特に外観は、北欧風の三角屋根に憧れていたという奥さんのイメージをカタチにしたもの。また、内装には無垢フローリングや珪藻土など温もりを感じる自然素材を使い、ラスティック調の建具とおしゃれにコーディネート。「雑貨や観葉植物を飾るのが好き」というライフスタイルにピッタリの空間となっています。
■宮城県名取市・Nさん宅
■設計・施工/(株)イノーバ
■建築データ
■構造規模
木造(新在来木造軸組工法)・2階建て
■延床面積
143.25㎡(約43坪)
■主な外部仕上げ
屋根/リッジウェイ、外壁/窯業系サイディング、建具/玄関ドア:断熱アルミドア、窓:樹脂サッシ(Low-E・ペアガラス・アルゴンガス入)
■主な内部仕上げ
床/ナラ無垢フローリング、壁/珪藻土、天井/ビニールクロス
■断熱仕様<充填断熱+付加断熱>
基礎/発泡ポリスチレンフォーム3種75㎜、壁/高性能グラスウール16kg120㎜+グラスウール32kg60㎜、天井/高性能グラスウール200㎜
■暖房方式
石油温水床下暖房
■工事期間
平成26年11月〜平成27年3月(約5ヵ月)
イノーバの家づくりは、Q値計算で1.2W/㎡Kが基準です(仙台近郊の場合)。これくらいの断熱性能があれば、一次エネルギー消費量は大幅に削減でき、効率的に家全体を温めて人も住まいも健康にできると考えています。ただし、性能を高めることがすべてとは思っていません。快適な暮らしのための住まいとは、決して身の丈に合わないほどの立派な家である必要はない。お客様の予算の中で最大限の快適性を追求していくこと、それも「快適さ」の要素ではないでしょうか。私たちイノーバは、「性能とコストのバランス」を大切にしています。また、将来的には自然エネルギーを生かしたパッシブハウスや、ゼロ・エネルギー住宅にも取り組んで行きたいですね。