住宅雑誌Replan（リプラン）

　子どもたちが独立し、もう大きな家は必要ないと考えたＳさんご夫妻。夫婦2人暮らしのための新居はガレージ付きの平屋で、２台分のビルトインガレージのうち片方には家庭用の電気自動車充電設備を備えました。「車が蓄電池代わりになると知って、万一の時も使い勝手がいいかなと思ったんです。新築を機に車も買い換えました」。
　外観デザインはシンプルそのものですが、玄関に足を踏み入れた時の明るさと空間の広がりは、訪れる人を嬉しいサプライズで出迎えます。それに大きく貢献しているのが中庭の存在。南面からの光を採り込み、ＬＤＫのどこからでも眺められるよう配置された中庭は、採光や通風はもちろん四季折々の自然の潤いを見せてくれます。
　広さ約33坪で、間取りはマンション感覚で暮らせる３ＬＤＫ。床は緩やかな凹凸が足に心地よいナラ材のアンティークフロア。ヒートポンプでつくった温水の熱を夜間に蓄熱する基礎蓄熱暖房で足元から優しく温め、空気の乾燥に悩むこともありません。「とにかく寒くない家、光熱費の少ない家にしたかった」というＳさんのリクエストで、全窓にトップクラスの断熱性を誇るトリプルガラス樹脂サッシを採用したのもポイント。小上がりの和室と予備室があるので、子どもたちが里帰りした時も十分対応できます。また、愛犬のためのスペースを設けるなどディテールにも配慮されていて、「希望に応えるだけでなく、プラスアルファの提案をしてくれました」と満足そうに語ってくれました。