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イチ押し住宅
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地域ビルダーの強みを生かし
より快適な住まいづくり

■山形県 Sさん宅
■設計・施工/有限会社 三浦工務店
■家族構成/夫婦・子ども3人
TEL:0234-24-4449

高断熱・高気密の基本をおさえ地域特性に合わせた工夫を


 「酒田は夏が暑いという大きな特徴があります。そこで『涼しく過ごせる家が欲しい』と依頼されたことが、私が断熱・気密をことさら意識するきっかけになりました」と三浦文夫社長。東北では「冬に暖かく過ごせる家を」と考える人が多い中で、まったく逆サイドからのスタートでした。
 例えば冬に室温を20℃にするなら、外気温がマイナス10℃の場合、その温度差は30℃にもなります。一方で夏は外気温が30℃なら、室内は27〜28℃でも涼しく感じます。この両方を満足させるには、夏用と冬用の2つの家があれば簡単ですが、それを1つの家で快適に過ごすために重要となるのが断熱です。
 「そのような中、断熱性や気密性について改めて勉強しているときに出会ったのが、新木造住宅技術研究協議会(新住協)の鎌田紀彦先生(室蘭工業大学教授)でした。お話をうかがったり、実際に一緒に家づくりを経験させていただいたことは大きかったですね」。
 30年ほど前から地元の大工さんとして親しまれ、建てた人たちから厚い信頼を得ている三浦社長。この出会いをきっかけに、高く評価されてきた技術力にもさらに磨きがかかり、現在はプロ中のプロとして、同業者向けに家づくりのノウハウを説明するビデオ制作にも協力しています。
 「鎌田先生のお考えを正しく実践する意味からも、絶対におさえておいていただきたい基本的なところを知らしめるものです。間違った建て方をしてもらっては、同業者として大きな信用問題になりますから」。
 鎌田教授の教えを実践しながら、地元の工務店として、四季がはっきりと分かれ、風が強いという酒田の地域特性に合わせた独自の住まいづくりを進めている三浦社長。「よそとは内側の処理の仕方がちょっと違う」そうですが、それ以上は企業秘密。大手のハウスメーカーの真似をしていては勝てないし、地域には長年にわたって培われてきた伝統的なデザインがあり、技術がある。時代の流れに沿って登場してきた新しいものも、良いところはきちんと取り入れながら、地元大工の強みを生かしていきたい。三浦社長はそう考えています。

さらに断熱・気密性能を高めた Q1.0(キューワン)の家づくり


 そんな三浦社長が現在取り組んでいるのが、新住協が進めている「Q1.0(キューワン)住宅」です。このプロジェクトが目指しているのは、暖房エネルギーの半減。そのためには熱損失係数(Q値)が1・0前後となる、より高い断熱性能が必要ということから、「Q1.0(キューワン)プロジェクト」と名づけられました。
 Q値は値が小さいほど断熱性能が高いことを示し、次世代省エネルギー基準では、 l 地区の札幌は1・6、ll 地区の秋田・青森は1・9、lll 地区の仙台なら2・4などと細分化されています。(編集部注:次世代省エネルギー基準の概要については、P167をご参照ください)
 「ですからQ値が1・0というのは、どんなに寒い地域でも十分に暖かく過ごせ、しかも次世代省エネルギー基準をクリアできる家ということなのです。今や、技術的には施工業者の誰もが高断熱・高気密住宅を建てられるようになっています。次はどうするかといえば、より性能の高い家づくりをしていかなければならない、と思っているわけです」。
 他社との差別化を明瞭に図り、より良い住まいを志向する。三浦社長のチャレンジは終わることなく続きます。

Photo Data

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Data

構造/新在来木造構法2階建て 敷地面積/274.40m2 建築面積/98.37m2 延床面積/158.64m2


■山形県 Sさん宅
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