「いずれ両親と同居することを前提に、もう10年くらい前からどういう家にしようか考え、基本的な間取りなどは大体決めていました」と奥さん。それが、1階に家族みんなが集う広々としたLDK空間とご両親の居室、2階に子世帯となるご夫妻とお子さんの部屋を配するというもの。生活様式は洋風ですが「やはり畳もほしい」ということで、リビングには独立した茶の間も配置。「ただ全く別々の部屋にはしたくなかったので、オープンな空間に2つのコーナーを設けた形になっています」。
1階の2間続きの和室は、実は当初の予定にはありませんでした。というのも、和室は特に材料などの善し悪しが顕著に現れるため、中途半端になるなら必要ないと考えたのです。けれども、イトックスの伊藤社長の「責任を持ってやらせていただく」という言葉を受けて設けることに。結果、9寸角のヒノキの大黒柱やイチイの床柱、秋田スギの天井など、厳選した材料がふんだんに使われた見事な造りの和室が出来上がりました。「実際に完成した部屋を見たときには、伊藤社長が胸をたたいただけのことはあると感心しました。両親も喜んでいます」。
そのほかにも、ダイニングテーブルや椅子、茶の間のテレビ台などに至るまで、幅・高さ・色・デザインを指定して特注するなど、あちらこちらに強いこだわりが見られます。「イトックスさんは建物そのものの設計はもちろん、建具や調度品なども『自由度』が高いので、カーテン一つにまで目いっぱい、わがままを言わせていただきました」。目に見えるものすべてが気に入ったものであってほしい、という願いに応えた住まいが完成したようです。
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