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北側外観 |
ロケーションの魅力を、設計・施工の技術で生かす
高低差10メートル以上の敷地に挑む
■設計監理/ |
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1階リビングから庭を見る。 |
確かに100坪の面白い土地ではあるし、以前の土地より安い。しかし、前面道路から敷地の反対側の境界まで10メートル以上下りの斜面で、排水の勾配も確保できそうにない(方法はあるが、全くつまらないプランになってしまう)。ロケーションの誘惑につられ、土地代の差額350万で土工事、基礎工事、排水工事のアップ分を吸収できるだろうと購入を勧めてしまい、後で責任の重さを痛感する。 早速、基本計画スタート。この高低差のある土地は食材にたとえるとフグのようなもので、技術さえあれば最高の材料である。道路面から3メートル下がったところに中庭を作り、リビング、浴室、階段ホールで囲む。最もコストアップになる基礎工事のおかげで半地下空間ができ、そこからまた遠景を見下ろすことができる。周辺環境が変わっても、敷地内からの景観やプライバシーが確保できる。次々具体的なイメージが浮かび、構想がまとまった。ご夫妻も期待してくださった。 問題は施工技術である。一般住宅とは思えない土木コンクリート工事、それに伴う防水、断熱、結露対策、排水計画。それだけではない。断熱気密性能、計画換気、室内空気汚染に関して、我が事務所は公的なものより遙かに厳しい性能を求めている。 私の知る限り、この構想を技術的に実現できる工務店名が他に浮かばなかった。実施設計と見積りが同時進行。工法や工程の合理化を検討し、その一つ一つが見積りに反映される。最終的に設計料250万、工事費2600万(消費税別)でまとまった。吹き抜けを算入せずに48坪で、しかもこの地形。厳しい性能保証のうえ、仕上げ造作、浴室工事の一切が職人の手作業であるから大変厳しい数字である。 |
2階から見おろした1階リビング。 |
玄関 |
リビングからダイニングを見る。 |
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■建築データ 構造規模/木造・2階建て(地下RC)、延床面積/157.32m2(約47坪)、 <外部仕上げ>屋根/アスファルトルーフィング(22K)の上、長尺ガルバリウム鋼板横葺+雪止取付、外壁/青木バラ板張+オリンピックステイン(2回塗)、延焼部分:ダイライト下地の上ガルバリウムスパンドール張、建具/窓:DOMUSウィンドウ(木製サッシ) <特徴的な内部仕上げ>床/パインフローリング張、壁/ドライウォールコンパウンド+藁練り混み、天井/構造用合板・梁現し、 <断熱仕様>基礎/押出ポリスチレン板(B3)75mm、壁/グラスウール100mm、24kg極細繊維、屋根/グラスウール100mm+押出ポリエスチレン板(B3)75mm ■工事期間/平成13年3月〜7月(約4ヵ月) |
前回でご紹介の家はこちらです |