フリーマガジン「東北の住まい再生」発刊しました

東北全域で出版活動を行っている住宅雑誌として
今回の東日本大震災を受けて、ボランティア活動として取り組んできた
無料配布雑誌「東北の住まい再生」が刊行されました。
この雑誌は、東北の6県県庁から公的なルートを通して
また、東北全域に支店営業所ネットワークを有する東北電力の窓口からも
住まいの被害に遭われたみなさんを対象に無料で配布されます。
各県担当窓口には、昨日までには配布が完了しました。
今後、一般に配布されます。どうぞ、ご活用いただきたいと願っております。
はじめて、一般発売ではない形式、
無料配布という形式での出版になったので、
いわゆる「発売日」という概念がありません。
もっとも大口で配布が開始された、という時点を捉えて
このように発表させていただく、ということにした次第です。

こうした企画を進めるに当たって、
公的な機関、とくに地域の自治体のご協力を得ることは欠かせず、
雑誌の無料配布、という事項としては異例でしたが、
被災規模の大きかった、岩手・宮城・福島各県を中心に
東北各県の住宅担当の窓口にお伺いして
その趣旨をご説明したところ、各県ともこころよくその申し出を
理解していただくことが出来ました。
最終的には、岩手・宮城・山形・福島の4県が「後援」として、
また、青森・秋田の両県も、一般への配布には全面的に協力いただけました。
感謝の念、これに過ぎるものはなく、
誠心誠意、編集制作作業に心を込めて当たることが出来ました。
また、住まいと環境東北フォーラムにおかれましては、
東北を導く住宅研究団体として、後援していただけ、
理事長の吉野博東北大学教授からは、全体の基調的なご発言をいただけました。
さらに、日本建築家協会( JIA)東北支部からは、
さまざまな情報提供とともに、記事全体への監修もいただけました。
情報収集に当たっては、NPO新木造住宅技術研究協議会(新住協)をはじめ
多くの団体・組織・個人のみなさんの貴重なご協力をいただけました。
さらに全国の住宅関係・住宅設備関係の各企業から、
発刊に当たっての基金的な支援・協賛も得ることが出来ました。
深く感謝申し上げる次第です。
本当にありがとうございました。

内容としては、
国土交通省の応急仮設住宅担当の、国の取り組みの報告から
国や県の、住宅再建についての支援のすべての基本になる
「り災証明」についての詳細説明、
国が進めている住宅や生活再生への支援策のまとめ、
お金に関する情報のまとめなど、まず基本になる条件のまとめ。
その上で、今後の住まい再建のために
地域の住宅への提言として、
住まいと環境東北フォーラム・吉野博理事長(東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻教授)へのインタビューを行っています。
東北の気候風土、さらに被災の時期が冬期であったことを踏まえ
断熱をいかに強化すべきか、という主要テーマが語られました。
この基調テーマに沿って、
東北各地でのさまざまな震災時以降の取り組みやルポルタージュを掲載。
震災後、無暖房で過ごした住宅の温熱データの詳細や、
そこから導き出される自然エネルギー活用の実例。
また、ライフラインが絶たれる中で、
岩手県大槌町で津波被害から生き残り、さらに高断熱住宅が暮らしを守り、
残されていた自然活用装置としての地下水くみ上げポンプや
かまどなどを活用して自立的な生活を維持させた事例などを取材しています。
住宅建築に関わるネットワークの活動も紹介。
応急危険度判定から、罹災証明に必要な判定作業などに取り組んでいるなかから
どのような被害が起こっていたかの実態も紹介。
沿岸地域でRCの1階を残して居住部分の2〜3階木造を流失した建築家による
自ら避難所まで沢の水を引っ張ってきた応急水道づくりなどの
地域再生への活動なども取材。
さらに今後の復興に向けて、阪神淡路大震災からの復興の経験を
その中心的活動を行った建築家から寄稿していただいています。
街をいかに再生させるか、その住民参加による再生のプロセスも。
さらに、住まいのチェックポイントとして、
各部位別に、すまいの補修や改修にあたっての注意点などを
全国の住設企業のご協力でまとめてみました。
東北各県窓口からの情報も掲載しています。

ぜひ、各県窓口から受け取っていただいてご覧ください。各県窓口は以下の通り。
岩手県県土整備部建築住宅課  019-629-5933
宮城県土木部住宅課  022-211-3256
山形県県土整備部建築住宅課  023-630-2640
福島県土木部建築指導課  024-521-7528
青森県県土整備部建築住宅課  017-734-9695
秋田県建設交通部建築住宅課  018-860-3819

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